恋・したい
『えっ?』

不意に声をかけられメニューから目を離して顔を上げる。柚季が少し驚いてて、でもすごい嬉しそうな顔をしてる。

「ゆずちの知り合い?」

柚季の後ろからひょっこり顔を覗かせた可愛い女の子。

ずきん

え?
今、胸が痛くなったよ?なんでなの…

【うん。僕の担任の野上莉梨愛先生だよ】
「初めまして、いつもゆずちがお世話になってます」
『いえ、こちらこそ』

マッシュルームヘアで瞳が丸っこくてどことなく柚季と似てるな…

【やめてよ、柚葉ちゃん。お母さんみたいだよ】
「姉として当然の事をしてるだけよ」

お姉さん!?
なんだあ、彼女かと思っちゃったぁ。よかった…って、えっ?
な…んで?柚季に彼女がいたって私には関係ないじゃないの。
胸を痛める必要も、安心する必要もないじゃない?

【相席いいですか?】
「どうぞ」

柚季が私の隣、柚葉ちゃんが由宇の隣に座った。

「よく見ると二人似てるよね~。双子なの?」
【当たり!えっと莉梨愛ちゃんの…】
「りぃの大切な人かな♪りぃの事はほとんど知ってるし、ねっ?りぃ」
『あっ!?う、うん』
メニュー越しに柚葉ちゃんを見てたのがバレませんように。
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