准教授 高野先生の恋人

私は、黙って彼の話に耳を傾け、自分なりに反芻した。

現実逃避、一時避難、浅はかな錯覚、都合のいい置き換え・・・・・・。

今日の私は、彼との行為に、慰めと癒しを求めていたに違いない。

でも・・・

けど・・・

だけど――

私は、少し迷いながらも、思ったことを口にした。

「そうやって、恋人に救いを求めるのって、そんなにいけないことなの、かな?

彼氏彼女なら、慰めとか癒しとか、そういうの求めてもいいんじゃないかな、って。

たとえそれが、一時的な避難でも、それはそれでいいんじゃないかな、って。

だってね、避難とか退避って、時には必要なことでしょ?

都合のいい置き換えでも、少しでも心が癒されるなら、それでもいいと思う。

私は、私だったら・・・求められたら、好きな人の避難場所になれたら、嬉しいな」

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