准教授 高野先生の恋人
愛情表現――好きって気持ちを伝えたいとか、うんとうんと優しくしたいとか。
言葉では伝えきれない想いを、五感すべて、体まるごと全部を使って相手に伝える。
彼が“特別な行為”と言ったように、それは例えようのない特別なことなんだ。
シンプルなようだけど、神秘的といえば神秘的で、すべてを超越しているような。
心に抱えたものを、瞬時に掻き消し、塗りつぶし、わからないようにしてしまう。
こんな言い方怖いけど、ある種の麻薬のような影響力を持っている。
だから人は時として、その行為に逃げ込むように走るんだ、まるで今日の私みたいに。
「寛行さん、怒ってる・・・?」
しゅんとしながら、恐る恐る彼にたずねる。
怒っているというよりも、がっかりされて、幻滅だろうなって、怖かった。
「怒ってはいないけど、ちょっと心配になっただけ」
そう言って、彼は私の髪に優しいキスを一つくれた。