准教授 高野先生の恋人
バレンタインの夜だというのに――
羊は山羊を、喰らおうとはしなかった。
美味しい夕食を与え、温かい風呂に入れてやり、寝心地のよいベッドを用意して、
ただただ、丁重にもてなし、かしずいた。
二人で仲良くフワフワの毛布にくるまって、ぴたりと体を寄せ合うと、
羊はけろりとした顔で、さらりと山羊に念を押した。
「今夜は、なんにもしないからね」
「え?」
「さあ、悶々としながら寝てくれたまえ」
「もぅ・・・」
「モー?」
「めぇ・・・」
「よろしい」
なんというか、うまく言えないけれど、私の彼って意外と?男気のある人かも。