准教授 高野先生の恋人

妻のある中年高校教師は、幼くも妖艶な魅力のある少女に、しだいに心惹かれていく。

が、しかし――、一旦は彼女との恋に溺れるも、男はやはり、夫であり教師だった。

そして、何より彼は、世間というものを知る臆病なオトナだったのだ。

執拗なまでに増幅してゆく少女の想いが、男には苦しく重くのしかかる。

ある日、二人の関係は周囲の知るところとなり破局をむかえるが、その結末は・・・。

「あの高校教師の男ってさ、50近くのおじさんじゃなかったっけ?」

「そうだよ」

「しかも、悲しい結末の映画じゃない?」

「うん。でも、フランソワって名前は気に入っちゃったんだもん」

「まあね、君のうちのクマ君だからなぁ」

と言いつつも、寛行さんは、ちょっと釈然としないご様子である。

「いいじゃないですか、寛行さんは30代で独身の大学教員なんですから」

「もちろん。僕らの恋は悲恋じゃないし、君が儚く消えてしまうこともない」

「あー、よかったぁ~、なんちゃって」

けど本当に――彼が奥さんのいる人じゃないのも、私だけを好きでいてくれるも、

それはきっと、とてもとても幸運なことなんだ。

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