准教授 高野先生の恋人

一人で留守番をするクマのぬいぐるみ・・・の気持ちを察する男、高野寛行33歳。

「なんなら僕が電話してあげようか?今夜は詩織ちゃんをお預かりします、って」

「フランソワは私の保護者ですか・・・」

「ん?ある意味そういう位置づけとも」

「じゃあ、電話しといて下さい」

わざと投げやりな言い方をして、ぷいと窓の外を見る。

本当は楽しくって可笑しくって仕方がなくって、私はひっそり、くくくと笑った。


去年、22歳の誕生日は――

帰省して、お父さんとお母さんに祝ってもらった。

去年だけじゃない、一昨年も、一昨々年も、ずっと家族に祝ってもらう誕生日だった。

だけど、今日、23歳の誕生日は――

「僕、フランソワは懐柔できても、君のお父さんには殴られちゃうよなぁ」

「こういう時に親の話を持ち出すのは反則だって言ったのは、寛行さんですよ?」

大好きな彼の部屋で、愛と祝福に包まれながら、彼の腕の中にいる。

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