准教授 高野先生の恋人

“詩織さん”が“鈴木(し)”ではなくて、ちゃーんと特別な重みを持っていたなんて。

しかも、それをまさか今さら知ることになろうとは……なんともかんとも。

まったく、私のうっかりな思い込みときたら、とどまるところを知らないらしい。

そして、彼はさらに何かを言いかけたけど、

「あと、それから……」

「うん?」

「えーと……」

だけど、何故だか言い難そうに口ごもった。

「それから、何?」

「うん、まあ……」

何なんだろう?彼のこの歯切れの悪さは?

その“さりげない主張“は、そんなに言うのが憚られるようなことなのかしら?

「寛行さん?」

「とりあえず、先に謝るね」

「へ?」

「ごめんなさい!」

「は、はぃ???」

なーんじゃそりゃ!?


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