准教授 高野先生の恋人
もちろん、彼のこと“サイテー”だなんてそんなこと、まったく思っていない。
っていうかそれ以前に、ドアが開いてるとか開いてないとか気にしてなかったし。
だけど――
「はっ!まさか高野先生、閉め切った二人きりの研究室で私に……!?」
「なっ……詩織ちゃん何言ってるの!無いよ、無い!誓ってないからね!ねっ?」
せっかくおもしろいので、もう少し寛行さんを困らせてみようと思った。
「でもなぁ、高野先生も男ですし、ね?」
「そんなぁ。君に何かしようなんてこと、あるわけないじゃない!
いや、まあ……そりゃあね、結果的にはコウイウコトになってるわけでその……。
なんというか、手を出したことになるんだけどさ……って、いやいやいやいや!
しかしながらね、ほら、よーく考えてごらんよ、ねっ?
だって僕はさ、君に嫌われるってことを一番恐れていたわけだからね?
その僕が、だよ?臆病者で意気地なしの、この“羊”な僕が、だよ?
いきなり、君のこと、どうこう出来るわけがないじゃない?」