准教授 高野先生の恋人
彼の真似をするように私も枕を抱えたまま、ころんと横に転がって、
同じような格好で、ちょうど向かい合うようにして見詰め合う。
「山羊とか羊とかトナカイとか、なんかもう動物村ですね」
「そうだね。今日はウサギもクマも仲間入りしたしね」
「あ、ホントだ」
可笑しくて楽しくて、それが嬉しくて笑い合う私たち。
「あっ!!僕、思いついちゃった」
「え?」
「“山羊と羊と、ときどきトナカイ”」
「もろパクリじゃないですか……」
「じゃあ“クマと白ヤギとヒツジ”」
「ほんのりパクリですかね」
バカ売れした某小説のタイトルか、或いは、コケティッシュな逆関白宣言の曲名か。
来年の今日、24歳の誕生日には――
動物村はもっと仲間が増えていて、今よりずっと賑やかになっているに違いない。