准教授 高野先生の恋人

彼の真似をするように私も枕を抱えたまま、ころんと横に転がって、

同じような格好で、ちょうど向かい合うようにして見詰め合う。

「山羊とか羊とかトナカイとか、なんかもう動物村ですね」

「そうだね。今日はウサギもクマも仲間入りしたしね」

「あ、ホントだ」

可笑しくて楽しくて、それが嬉しくて笑い合う私たち。

「あっ!!僕、思いついちゃった」

「え?」

「“山羊と羊と、ときどきトナカイ”」

「もろパクリじゃないですか……」

「じゃあ“クマと白ヤギとヒツジ”」

「ほんのりパクリですかね」

バカ売れした某小説のタイトルか、或いは、コケティッシュな逆関白宣言の曲名か。

来年の今日、24歳の誕生日には――

動物村はもっと仲間が増えていて、今よりずっと賑やかになっているに違いない。


< 148 / 324 >

この作品をシェア

pagetop