准教授 高野先生の恋人
助けを求めるように寛行さんのほうを見ると、まったく余裕の表情で、
「残念ながら告白したのは一応僕からだよ。で、とりあえずさ、ご飯食べさせてよ」
なんてことをしれっと言って、パエリアを取り分けたお皿をひょいと私に手渡した。
そうか、そうなんだ・・・寛行さんは、森岡夫妻のこのテンションに慣れているのだ。
かれこれ学生の頃からの付き合いの3人には私の知らない歴史と呼吸がある。
それは当然のことで仕方のないことなんだけど、だけど・・・
それを思うと、私はなんだかやっぱりちょっぴり淋しくなった。
そんな私の一瞬の表情を寛行さんは見逃さなかったのだろう。
「そうそう、美穂ちゃんのことで森岡が僕に泣きついてくるときにはさ・・・」
もくもくもくと、いい感じのペースでパエリアを口に運びながら、
「いつも必ずお決まりの台詞があってね。それ、いったいどんな台詞だと思う?」
まるで一口食べる度に昔を思い出すように、私にむかってぽつりぽつりと語り始めた。