准教授 高野先生の恋人
ほとんど息もつかず、口を挟む隙などは微塵も与えぬ勢いだった。
「私、今日はもうお腹いっぱいなんです」
「は?」
「だってね、もうっ!真中君が……」
私は二次会での真中君の語りっぷりについて、まるで訴えるように話して聞かせた。
せつせつと私が話すのを、彼はふむふむと熱心に聞いてくれて、
それから私を宥めるように彼らしいゆったりとした口調で話し始めた。
「君には災難だったけど、真中君が桜庭君を慕う気持ちは僕もわからなくもないよ」
「ええーっ」
「桜庭君ってさ、同じ男から見てもやっぱりカッコいいんだよ。
ああいう外見でいて、けっこう男気があるというか。ね。
驕ったところもなければ、おもねるようなところもない。そういうとこもいいよね」
「ふーん」
「あ、ごめん。君はお腹いっぱいか」
寛行さんはそう言いつつ悪びれた様子もなく、楽しそうにくすりと笑った。