准教授 高野先生の恋人

寛行さんは立場などは関係なく素晴らしいものは素晴らしいと素直に尊敬できる人。

たとえ相手が後輩や学生でも、或いはきっと子どもであっても。

そういう潔い感じとか、さらさらっとした感じとか、私はすごく好きだなって思う。

「D3に桜庭君が戻ってきたのは研究室全体にとっていいことだと思うよ、僕は」

「女性の先輩方にとってだけでなく?」

「そっ。君にも真中君にもいい先輩ができて、僕としては安心でもある」

彼の言う安心とは、おそらく真中君が言う安心と同意であると私はすぐに理解した。

沼尾さんが最高学年になるのは正直やりづらいというのが真中君の懸念だったから。

けれども、当初の予定通り桜庭さんが復学することで、その不安は払拭された。

寧ろ、来年度のゼミには今までよりもずっと有益で有意義になる期待さえ持っていた。

「なんか桜庭さんてすごいんだね」

「君も色々と話してみるといいよ」

ゆったりとそんな台詞を言う彼は、私が知ってるいつものおっとりとした彼だった。





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