准教授 高野先生の恋人
名残惜しくも唇を離すと、私はわざと恨めしそうな目をして彼を見上げた。
「高野先生にリョウジョクされた・・・」
「こらこらこら」
「でも・・・」
「ん?」
「むぅ……不覚にもドキドキしちゃったじゃないですか。あー、もうっ!」
私は照れ隠しにプンプン言うと、彼の肩口にごちんと頭を一つぶつけた。
そんな私を困ったように笑いながら、彼はよしよしと私の頭を撫でてくれた。
「僕だって。教室で君を見つけたときはさすがに狼狽えたよ、不覚にもね」
「シラバスも時間割も確認済みですから」
新一年生の授業なら私を知ってる学生は誰もいないし。
しかも、必修で大教室の講義となれば、人が多くて紛れ込むにも気楽だから。
「前から計画してたの?」
「やってみたいとは思ってたけど。でもね今日はその為に来たんじゃないんです」