准教授 高野先生の恋人
壁の時計にふと目をやると、ぼちぼち待ち合わせの時刻になりつつあった。
「私、そろそろ行きますね」
「えーっ、もう行っちゃうの?」
彼がいきなり可愛いことを言うものだから、思わず胸がキュンとチクンとしたけれど、
「明日の夜まで、ね?ちゃんと聞き分けて、いいオトナで待っていてください」
「損だし、つまらないなぁ、オトナって」
「よーく考えてください。オトナにはコドモにはない楽しみだってあるじゃないですか」
「うーむ、それを言われちゃうとなぁ」
「ね?でしょお?」
可愛いなぁって思いつつ、それでも私は情け容赦なく甘える彼を振り切った。
「それじゃ、ごきげんよう。高野先生」
「わかったよ、頑張って先生します」
大人げある?彼に敬意を表し、私は春限定桜ポッキーを進呈して研究室をあとにした。