准教授 高野先生の恋人
その夜、私と寛行さんは読書に耽っていた。
といっても、本のページを一枚いちまい繰るのではく、
PCの画面に見入って、とにかくクリック、またクリック。
「寛行さーん、どの辺までいきました?」
「ん?僕はねぇ“もぅ愛でとろけちゃうよ、ココロもカラダも///”までかな」
「えー、それって中盤?終盤?」
「もうENDに近いね。君は?」
「私はねぇ“やべぇ、おまえ超可愛すぎ。俺マジで理性保てねぇかも”までです」
「あー、まだまだ最初のほうだね」
寛行さんは机の上のモニタに向かったまま、こちらも見ずにマウスをカチカチ。
「あうー。寛行さん読むの早すぎ」
「商売柄さ。しかし今年の読書会は随分とまた斬新な企画だね、ケータイ小説とは」
「だって、しょーがなかったんですよ。並木先生がそうしたいって言うんだもん」
私たち今、PCでケータイ小説を閲覧中。