准教授 高野先生の恋人

その夜、私と寛行さんは読書に耽っていた。

といっても、本のページを一枚いちまい繰るのではく、

PCの画面に見入って、とにかくクリック、またクリック。

「寛行さーん、どの辺までいきました?」

「ん?僕はねぇ“もぅ愛でとろけちゃうよ、ココロもカラダも///”までかな」

「えー、それって中盤?終盤?」

「もうENDに近いね。君は?」

「私はねぇ“やべぇ、おまえ超可愛すぎ。俺マジで理性保てねぇかも”までです」

「あー、まだまだ最初のほうだね」

寛行さんは机の上のモニタに向かったまま、こちらも見ずにマウスをカチカチ。

「あうー。寛行さん読むの早すぎ」

「商売柄さ。しかし今年の読書会は随分とまた斬新な企画だね、ケータイ小説とは」

「だって、しょーがなかったんですよ。並木先生がそうしたいって言うんだもん」

私たち今、PCでケータイ小説を閲覧中。

< 249 / 324 >

この作品をシェア

pagetop