准教授 高野先生の恋人

今日会ったはずなのに、なんだか久しぶりに話すようなちょっと奇妙な感覚だった。

「あの、私も電話しようと思ってて……」

「これから、会えないかな?」

「……!」

もちろん、迷う余地などなく答えは決まっていたけれど――

「じゃあ、あと8分くらいで行くから」

「え゛っ!」

びっくりした。だって、彼のうちから私のうちまで車でスイスイ来たとしても……。

寛行さん、いったい今どこに???

「もう君んちの近くのファミレスの駐車場。で、こっから歩いて行くから待ってて」

「え?え?私がそっちに行っても……」

――。

私の申し出なんぞ聞かず寛行さんはプチっと電話を切ってしまった。

こういうのって彼にしては、とても珍しい行動だった。

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