准教授 高野先生の恋人

あの桜庭さんが私のことを好きだなんてそんなこと……。

だいたい、もし、もしも仮にそれが本当だったとして、

私の気持ちは?私が桜庭さんを?寛行さんは私のこと信じてくれてなかったの???

「詩織ちゃんのこと疑ってるクマか?」

「違う!違うよ!そうじゃないんだよ。

つんつんした態度をとって詩織ちゃんに嫌な思いをさせて悪かったなって思ってる。

僕が勝手に拗ねてイライラしちゃっただけなんだよ。本当に、情けないけど。

桜庭君て同じ男から見てもイイ男だし、僕なんてぜんぜん敵わないなぁ、なんて」

寛行さんは背中をまるめて、フランソワの頭に顔を埋めて小さくなった。

「ほんとカッコ悪いよね、僕」

確かにカッコいいとはいえないけど――

でも――

「でも、なかなか可愛いクマよ?」

私は、シュンとうな垂れる彼にぴたりと寄り添い、そしてとんと体を傾けた。


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