准教授 高野先生の恋人

「寛行さんはファミレスでご飯食べてきたかもしれないけど、私はまだだもん」

「僕、食べてないよ?」

「へ?だって、車……」

「後でちゃんと食べに来るからって言って、とりあえず車だけ置いてきた、みたいな」

そんなお客さんているものだろうか?

“後で必ず食べて寄るからさぁ。とりあえず車置かせて。頼むよ、ねぇ?”みたいな。

「“言って”って?お、お店の人に?」

「いや。えーと、ファミレスの神様?」

「誰ですか、それ……」

「まあまあ。そういうわけだからご飯食べにいこうよ。ね?」

「もう、なんだかなぁ」

そんなわけで――

私たちは彼の愛車が居心地悪そうに待っているであろうファミレスへ向かった。

大活躍のフランソワには気の毒だけど、もちろんお留守番をお願いした。

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