准教授 高野先生の恋人

話題は寛行さんのご家族の話になった。

ご両親のこと、三人兄弟の真ん中であること、兄弟で未婚なのは彼だけであること。

そして、ご家族皆さんが彼と私のお付き合いについてご存知であることに話が及ぶと、

さっきまでフムフムと話を聞いていたお父さんの表情がにわかに変わった。

「高野さん、改めて一つお聞きしておきたいのですが、よろしいですか?」

お、お父さん……???

いつもは、妻ラブで娘ラブの愛妻家で可愛くてちょっとヘタレなお父さん。

だけど今この瞬間のお父さんは毅然とした頼もしい父親の顔のお父さんだった。

寛行さんが、気持ち姿勢を正すように座りなおし、お父さんをまっすぐに見る。

「どういった、ことでしょうか?」

寛行さん……。

私は黙って、二人の会話を緊張しながら見守った。

< 288 / 324 >

この作品をシェア

pagetop