准教授 高野先生の恋人
楽しい時間は瞬く間にすぎ、すっかりいい時間になっていた。
いいかげんそろそろ寛行さんをご実家へ帰してあげなきゃ、と……。
帰り際、寛行さんはお父さんとお母さんに丁寧にお礼のご挨拶をしてくれた。
「ご挨拶に伺う機会をいただきまして、今日は本当にありがとうございました。
お夕食までご馳走になって……あっ、どれもこれもみんな美味しかったんですけど、
特に、ちらし寿司と“なんちゃってアノから揚げ”が美味しかったです!
楽しくてすっかり長居してしまいましたが、今日はこれで……。
5日にはまた詩織さんをお迎えにあがりますので」
寛行さんの笑顔に、お父さんもお母さんも笑顔でこたえた。
「今度は、しーちゃんのアルバムでもゆっくり見せてあげましょうね!秘蔵写真!」
「もう!お母さん!」
意地悪を言うお母さんと膨れっ面をする私。
お父さんは、そんな二人にやれやれと苦笑して、寛行さんに向かって言った。
「今日はわざわざありがとうございました…………高野さん」
なんとなく、何か他に言いたいことがあったのかな?って。
何か言いかけて躊躇ってやめたようにも見えたけど。
そのときは、さして気に留めず私はそのままスルーした。