准教授 高野先生の恋人
美術館に行く計画はそれとして、さて……明日はどうしてすごしたものか。
おうちでごろごろ、のんびりまったり過ごすのもそれは楽しいに違いない。
けど、天気予報によると連休最終日の明日は爽やかな五月晴れの絶好の行楽日和。
そう聞くと、お出かけしないのはなんだかもったいないような気もしたりして。
そんな私の気持ちを察してか、或いは同じ気持ちだったのか――
「そうだ!動物園に行こうか?」
寛行さんが、とっても素敵な提案をしてくれた。
思いがけず、私は子どものように目を輝かせた。
「動物園!」
「まあ、動物園といってもそこは……」
「?」
寛行さんが言うには、“そこ”は、とてーも地味で小さな動物園なのだそうで、
パンダやコアラのようなスーパースターもいなければ、
ゾウ、カバ、キリンなどの動物園の花形とも言える大型動物たちもいないという……。
「えーと、寛行さん……じゃあ、そこの動物園にいる動物さんというのは……?」
「ん?山羊と羊はいたと思うよ。残念ながらトナカイはいないかなぁ。
あと、一応サル山があってね。僕、学生時代、サル山を見にそこへ行ったんだよ」
「大学生のときに?サル山を???」
「うん。サル山をバックに僕一人が写ってる記念……いや証拠写真も残ってるはず」