准教授 高野先生の恋人
結局のところ、私ってかなり強欲なのだ。
ダイヤの指輪は要らなくても、やっぱり何かカタチに残るものが欲しいなんて。
しかも、それがお金で買えないものだなんて……。
「まぁ、予告状は予告状なんですけど、もっと正確にいうと内容的には――
そうだ!書面にて事前に同意を求める、みたいな?そんな感じですかね、うん」
「え゛っ!事前に同意!?」
「いえいえ、形式的なものですから」
今の台詞、私ったらドラマに出てくるアリバイ調べする古参の刑事みたいだし……。
「そういうわけですから、まあまあまあ、同意しないって可能性はゼロってことで。
んで、予告状にはプロポーズしようと思うに至った経緯を明記して欲しいわけです。
要するに、私のどこを気に入って望んでくれてるのかって話ですよ。
あと、具体的にどんな言葉で結婚を申し込むつもりなのかって内容も必須ですね。
もちろん場所や日時なんかも必ず。なにせ予告状ですから。
で、発送については、プロポーズ予定日の二週間くらい前にはお願いできたら、と。
電子メールは不可で、直筆の封書でのみ申し受けます、と。そんな感じで」