准教授 高野先生の恋人

たぶん、病気で気分が落ちている私への、寛行さんなりの気遣いなんだ、とは思う。

「ハイ、どんどん、お支度しようねー」

「ん」

さっきまで、でっかいマスクでその大半を覆われていた私の顔は、

さらにマフラーをぐるぐる巻きにされて、本当に目だけがやっと出ている状態に。

うぅ・・・息、できないんですけど?

「あの、寛行さん・・・」

「おっとっと、ごめんごめん」

ちゃんと息が苦しくないように、鼻と口を楽にしてくれるかと思いきや、

「ハイ、できた。これでヨシ、と」

彼が外に出してくれたのは、マフラーに巻き込まれた髪の毛のほうだった・・・・・・。

今日の彼は、なんだか妙にはりきっているんだけど、トンチンカン加減が半端ない。

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