准教授 高野先生の恋人

貧乏長屋のその場面は、時代劇っていうより、そのコントでみたことあるような。

それにしても、私が長屋のとっつぁんなら、寛行さんが心優しい孝行娘???

確か、私の記憶が正しければこのあとの展開って、高利貸しの悪人が来て、それで…

「寛行さん、借金…」

「ないってば、僕は」

おっとっと……あっさり言葉を遮られた。

「車のローンも終わってるし。株はやってないけど、地味に共済の積立はしてるよ」

ほほう、それはそれは、なかなか堅実でいらっしゃる。

「僕は、借金返すために誰かに売り飛ばされたりもしないし、

蟹工船みたいな船に乗せられて遠くの海へ連れて行かれたりもしないから。

ほら、だから、詩織ちゃんは安心して、ゆっくり休んで、早く病気を治しなさいね」

「ん」

劇中では、可愛そうに、娘は借金のカタに連れて行かれそうになるけど、

どうやら、寛行さんに、その心配はなさそうだった。

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