准教授 高野先生の恋人

私は、鼻の頭が隠れるくらい布団を被り、ちょろっと目だけ出した格好で彼を見た。

彼の手が、私の狭いおでこに触れて、そっと前髪をかきあげる。

その大きくて華奢な手は、私には十分冷たくて、さらりとひんやり気持ちよかった。

「病気のときはね、たくさん我が侭言ったり、甘えたりしていいんだからね」

「けど…だってさっきは、大人しく言うこときかなきゃダメだ、って」

「そりゃあもちろん、僕の言うことはちゃんと聞いてもらうよ。

今日の詩織ちゃんのシゴトは、ゆっくり休んで病気を治すことなんだもの。

だから、熱が完全に下がらないうちに起きて動き回らないように、見張ってる」

「見張り番なの?」

「熱が下がるのを見届けるまでは、ね」

「見守る係り?ずっと近くにいる?」

「うん。ちゃんとそばに居るよ」

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