恐怖 DUSTER
「私も千恵も、入れ替わった時には意識を失っていたけどすぐに目覚めたわ」


「でもね、里美は目覚めなかった・・・」


麻美は、里美を見つめながら言った。


「あの時は焦ったわよ。なんせ弥生の入れ替わりの日がすぐ迫っているのに、里美は全然目覚めなかったから、千恵もパニックになっちゃってね」


その時の事を思い出したのか千恵は麻美に反目するように皮肉交じりに言った。


「麻美は、私たちのことより弥生の事だけが一番大切だったからね!」


千恵の皮肉交じりの言葉を受け流すように麻美は迷い無く言い切った。


「当然よ!」


麻美の言葉に不快感を感じたのか、千恵の表情が強張った。


「そ、それで里美はどうやって目覚めたの?」


弥生は、自分の事でこの場が荒れるのを避けるために話題を里美の事に戻していく。


麻美も弥生の気持ちを察したのか、話の続きを始めた。


「里美が目覚めないのは、新しい14歳の里美に吸収されてしまったのかとも思ったんだけど、里美の誕生日のタイムリミットの前には、前の里美の精神を崩壊させて里美の名前を呼ばせることには成功していたから、私たちには全く理解できなかったのよ」


「私や千恵の入れ替わりの時には、そんな事は起きなかったから」


「そうそう、私の時も麻美とあの人の協力でなんの支障も無くすんなり入れ替われたからね」



・・・また、あの人・・・?



弥生の中で、あの人という存在が益々大きくなっていく。

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