恐怖 DUSTER
「もうダメ・・・弥生の後ろに人の姿が現れてきている・・・」



「麻美、やめて!」



裕子の言葉も届かないのか、弥生を見つめ麻美は言い続ける。




「弥生の後ろの女は、私たちと変わらないぐらいの女の子みたい・・・」




「麻美!やめてって言ってるのが解らないの!」




恫喝に近い裕子の言葉も麻美には効かなかった。




「はっきり見えるのは手だけじゃないの、体全部が見えてるの・・・」



「手、足、髪の毛まではっきり見えてる・・・」






「もうやめてよ~麻美~」



恵子が泣きながら訴えるが、麻美は何かに突き動かされるように話すのをやめなかった。



恵子の哀願も無視して、麻美はまるで解説するような口調で言う。




「この子、私たちと同じ制服を着ているよ・・・」




「こ、この学校の生徒なんだ・・・!」





弥生の精神は限界にきていた。





麻美の言うように、さっきまでは両目を隠す手の感触しか無かったのだか、今では自分の背中に人の感触そのものがある・・・





誰かが、自分の後ろにいる・・・




たしかに、誰かが・・・








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