海に花、空に指先、地に霞
辿り着いたのは、
私がいつも眺めている海だった。
家から一番近くて。
通学路の途中に眺めるいつもの海。
馴染み深い場所。
懐かしい場所。
ガードレールのほんの少しの切れ目に、ガタガタの石段があって、灰色の砂浜に降りることができる。
私たち静かに砂浜に降り立った。
ずっと…手は繋がったまま。
海は、その水面を赤く染めて。
潮風も冷却の色を孕んで、なお滑らかに。
ざわめく波音が夜を連れてこようとしている。
いつもの平凡さに僅かに雄大さが加わった。
昼と夜が入れ替わる、一瞬。
一番好きな…海の姿。