海に花、空に指先、地に霞
私との結婚は…義務だって言ってた。
震える口唇から、素朴な疑問が洩れる。
「す、好きな人……とか、いないの?」
凪世が、キレイな眉を片方だけ吊り上げて、笑った。
「……その質問はどうかと思うけど?」
「だ、だって…!凪世たち…、仕方なく花嫁争奪してるんでしょ?…義務だって言ってたじゃない…」
「……確かにね、地上の花嫁を得るのは当代王の義務だ」
「じゃ、好きな人とか…いたんじゃない?け、結婚したい人、とか」
「……さあね」
「…凪世?」
キュッと。
繋がれた手を引っ張られて。
…抱き寄せられた。
「…寒くない?ここは風が強いから」
「……慣れてるから、平気」
そういいながら。
私は…凪世の鼓動を感じていた。
いつもなら、ちょっと触られただけでも大騒ぎして突き飛ばすのに。