ユピテルの神話


この出来事を…

後に、
人々はこう語ります。



人々は病に伏せ、死を待った。
天からは哀しみが降り、
地は怒り、
風たちは吹き荒れる。

この世の終わりだと、
滅びの定めを覚悟した時。

七色の光を纏う「神」がこの地に降り立ち、
天地を説き鎮め、
人々を滅びから守った。




それは人から人に伝わる神話。

真実は、
誰も知らない。

全ては僕のせいなのだという事を。


「七色の光を纏った神」

ではなく、

「七色の羽根を持った悪魔」

だという事を。


人々ハ、
誰モ知ラナイ――…


知ラナイ方ガ、
「幸セ」ダカラ…。


ダカラ。

知ッテイル僕ハ、
辛ク…苦シイノデスネ…



< 77 / 171 >

この作品をシェア

pagetop