ユピテルの神話


「…そうよ。ユラは怖がり。寂しがりで、泣き虫で、ちょっと臆病で。一番に、優しいの…」

「………」

僕は何も否定出来ません。
エマがそう言うのなら、僕はそうなのだと思うのです。

躊躇いがちに、頬に触れたエマの柔らかな手に触れました。


「うふふ、とても人間らしいという事よ?皆と同じなの。」

「皆と、同じ…?」

「そうよ。皆がユラを『神様、神様』って言うから、ユラは優しいから頑張っちゃうのよ…。ユラも皆と同じなのにね?」

彼女は、
何なのでしょう。

いつも、僕の心が穏やかになる言葉をくれます。


彼女の中の僕は、
「神様」ではなく…

一人の青年、ユラなのでした。

それが、
堪らなく嬉しかったのです。


「…ユラは、ユラなのにね?」

いつかの…
亡きロマの言葉を思い出しました。


「…血は争えませんね?いつかロマもそう言ってくれました…」

「あら。おじいちゃんに、先を越されていたのね…?ちょっと悔しいわ。」

エマはそう言って笑っていました。

嬉しくて、嬉しくて。
「泣き虫」な僕は、やはりこの時も気を許せば泣き出しそうでした。


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