〜花魁〜
「…花ちゃんやで。」
『は…な…?』
「そう。俺が病院で会ったのって、花ちゃん!!」
久しぶりに聞いた“花”って名前に、忘れかけていた罪悪感が蘇って来た―…。
『元気…そうやった?』
「お前っ、鈍感すぎる!!俺の言ってる意味…分かってねえだろ?!」
テーブルにバンッと両手をつき、興奮した様に言ってくる大和に
『ん?』と、訳が分からないって表情をすると…
大和の隣に座っていた貴史が、笑いながら
「光?大和が一番最初に言った言葉…よ〜く思い出してみ〜!!」
『最初?んー…、ビックリする人に会った?だっけ?』
「「はぁ〜〜」」
“間抜け面”
まさに、この単語がピッタリだろう。
目の前に、まばたきさえ忘れて目を丸くし、口をポカーンと開く、大和と貴史の顔がある――。
「コイツに…遠まわしに言っても無理じゃね?」
「ホンマそれ!!ここまで鈍感やと思わなんだ…。はぁー…。」
「ハッキリ、言ってやれよ!!分か〜りやすくさっ(笑)」
なんて…目の前の俺を無視して、2人で話し合う大和と貴史。
『ホンマに、何の話?てか、俺…鈍感じゃねえし!!』
「いーや!!お前は鈍感やな。間違いなく鈍感!!」
ここまでハッキリ言われると…
ムカつく!!!!
『もったいぶらんと…さっさと言えやー!!!!』
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