〜花魁〜


スッと立ち上がり、ベッドの横に置かれた小物入れから手紙を取り出した。

成田の手によって届けられた、2通目の手紙――。



もう一度…

もう一度、ちゃんと読みたいんや。

隅から隅まで、一文字たりとも見落とす事なく




――…

―――…



前と、読み終えた時の気分が、違う風に感じたのは…きっと、気のせいなんかじゃなくて



[アタシの気持ちも汲んで欲しい]



俺が、今…しなきゃいけない事は

空の気持ちを汲んであげれるんだろうか?








“頑張れ”



ふわっと、窓の外から舞い込んで来た生温い風が通り過ぎた時

一瞬、そう聞こえた気がしたんだ。

妄想かもしれない。幻聴かもしれない。

だけど“頑張れ”って、空の声が聞こえた気がしたんだ――。


俺の頭…イッちゃってるよな。笑




「「もう、同じ後悔すんなよ?」」


『…おぅ。』





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