She and I・・・
リビングに勝手に行くと、すっかり準備は整っていた。
彼女は、母親の手伝いに戻っていた。
大宮教授と先輩に挨拶をすると、席につくように促された。
「何かお手伝いしましょうか」
ときいたが、
「なに、お祝いとは名ばかりで今日は君に感謝する日だから座っていたまえ」
と言われた。
彼女はにこやかに動いていたが、こちらを見ようとはしなかった。
テーブルに料理も並び、彼女も母親も席についてパーティーは始まった。
教授が、娘にお祝いの言葉と僕に感謝の言葉を言って乾杯した。
僕はビールを飲んだ。
教授が、君もそんな年齢になったか、我が家との付き合いも長くなったなというようなことを言った。
彼女と出会ったのが大学に入った夏だから春生まれの僕はその時19歳だった。
2年近い歳月をここ--大宮家--に通ったのだとあらためて思った。
日ごとふくらんだ彼女への想いが、良くも破裂しなかったものだ。
この想いは、どれだけ大きく育つのだろうか。