さよならの十秒前
修介の、少し悲しそうな横顔を思い出す。

きっと彼は。

坂井奈緒が、好きだったのだ。


ぼんやりしていると、ベッドの上の携帯が鳴り出した。

修介からメールだ。

慌てて開くと、一文だけ送られてきていた。

『四通目のメールは、スノードロップ』

私は携帯の画面を、じっと見つめた。

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