さよならの十秒前
「…はぁ、そうですが」

警戒しつつ、私は男をじろじろと観察した。

同じ南中学、ではない。学生服でなく、ブレザーを着ている。

平均より少し高めの身長に、すらりと伸びた手足。

顔は特別かっこよくはないけれど、まぁ、雰囲気はイケメンである。

雰囲気イケメン茶髪男は、私にニカッと笑いかけた。

「よかった。君とお近づきになりたくて」

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