さよならの十秒前
お互いしばらく黙った後、先に沈黙を破ったのは修介だった。

「…いいよ。一緒に行く」

「本当?」

「今から出られる?」

「うん」

「あと、メールが来た。三通目」

私の体に、ぴりっと緊張が走る。

「…なんて?」

「学校、だって」

…学校?

< 90 / 202 >

この作品をシェア

pagetop