臆病なサイモン
「…あ、」
しまった。
ダチになりたい、って願ってただけの筈なのに、俺の口から飛び出したのは「ダチンコ確定」宣言。
ホンダが、はぁ?て顔で俺を見た。
…見るな、そんな目で俺を見るな!
「…サイモンと段さんて、友達っぽかったっけ?」
「話してるとこ見たことないけど…」
ざわざわと、今度は別の意味で騒ぎだした周囲に、たらり、冷や汗が出る。
「サイモンが段さんとぉ!?」
「うわ、俺、知らなかった…」
話題が全く違う方向に移ったのは結果オーライだけど、ヤバイ、公開宣言し過ぎた。
確認するようにダンゴを見たら、ダンゴはなぜか、ホンダ以上にビックリした顔で俺を見てる。
あ、やっぱまずかった、ぽい。
また別の意味で、冷や汗が垂れた。
ダンゴに認めてもらうダチンコの道から遠のいた気がする。
「…あ、ご、ごめん、ダン…ゴ」
俺、調子乗ってたかもしれない。
ダンゴと解りあえたような気に勝手になって、勝手にホンダにキレて、なんかこれじゃあ、「友情」を押し付けてるみたいな―――。
サイテー。
どんなひとりプレイ…。