さうす・りばてぃー
 さらに進めて、星空のスリーサイズはどれくらいか。

 胸はどちらかというとないほうなので、80は下回っていると見た。

 逆にウエストはかなり細い。60は軽く切っているだろう。

 そうすると、78・56・78といったところか。

 それに対して穂波は、胸は標準。ウエストは標準よりやや細め。

 そうすると、82・60・84くらいか。見由は……。

「なに考えてるんですか?」

 いきなり、下のほうから声がした。俺はびっくりして、思わずのけぞる。

「な、なんだ、見由か」

 いつのまにか、見由が俺のすぐ前に来ていた。

 背が低いので、俺が正面を向いていると、すぐ前にいる彼女の姿は視界に入らない。

 彼女は前に向かって歩きながら、首を斜め後ろに曲げ、見上げるようにして、俺の顔を覗き込んでいる。

「そんなにびっくりして……ひょっとして、やましいことでも考えてましたか?」

 大きな目で、じーっと俺を見つめる見由。

 その目には、一点の曇りもない。

 やめろ、頼むからそんなに純粋な瞳で俺を見つめないでくれ。

「いや、別に。見由はかわいいなって」

 自己嫌悪に陥りながら、あくまでざんげはしない俺。

「ふうん」

 見由はまたじーっと俺の目を見て、言った。

 思わず目をそらしそうになる。

「嘘ですよね?」
 にこっ、と微笑む見由。

「すまん、嘘だ」

 ここまでされると、正直に言わざるを得ない。

 幼稚園の保母さんに諭される園児の気分だ。

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