君に許しのキスを
「ねえ未央、1組の数学って、土屋先生なの?」

購買から走って戻ってきた未央に聞いた。
彼女は周先生のファン、らしい。

ただミーハーな性格というだけ、ともいえるけれど。



「え?何?急に。
そうだけど?」


未央は息を切らせながら、きょとんと目を見開かせ答えた。

「何?何?
妃奈ちゃんも周先生ファンになっちゃった?
先生、とらないでよ?」

と笑うと、買ってきたルーズリーフをあたしのとなりの机に投げるように置いた。
そして音を立てて椅子に座ると、鞄からペットボトルを取り出して、豪快に飲み出した。


あたしはそんな未央をみて笑いながら、凜のことを思い出した。


一応、メールしてみよう。

そう思って、制服のポケットから携帯を取り出した。
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