潔癖彼女ノ憂鬱
「…大丈夫か?」

「…だ、大丈夫じゃないかも…」

 季夜はぐったりと龍世の腕の中で小さくなっていた。
 飛び掛けていた意識は大分戻り、目眩も収まってきていたのだが…

 龍世にお姫様抱っこされていると気が付いた途端に体が震えて止まらない。

 勿論、恥ずかしさもある。

「ごめんなさい」

 季夜は小さく詫びた。
 外へ連れて来てくれた彼が誰なのかは分からないけれど、きっと入学式を中断させてしまったに違いない。

季夜は生徒会長の挨拶を聞いていなかったので、龍世が生徒会長だと気付く事もなく…

「気にするな。こんな事、誰にでもある。今度からは気分が悪くなったら誰かを呼べよ?」

「…はい」

 労るような声に、涙が出そうになった。

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