魑魅魍魎の菊






この小さな胸に大きな"影"を閉じ込めてしまった私——



「ぐっぁ——あ"あぁ……や、やめろ…」



人生の八割はハプニングで出来ている。一体何が起こるのか神さえも知らない、この月光だって神様が止められることができない。


だったら、その八割は"私"じゃなくても——他の誰かにも該当するんだ。



「友人が苦しんでいるのに、よくもまあ…





——笑顔でお酒を飲んでいらっしゃるのね、毘沙門天殿」





苦笑しながら毘沙門天を見れば、一升瓶を一気飲みしてるよ。何なのよあの酒豪、私だって早く家に帰ってドラマ見たいわよ!!


「ガーハッハッハ!自然の摂理にはわしは逆らえんでのう!何じゃ御主、世に珍しい《影使い》のもんじゃったんだな?これ愉快じゃ、ガーハッハッハ!」



《影使い》



その単語を聞いたスザクは体をビクっと震わしながら、恨めしそうに菊花を見つめた。



「どうぞご質問を」


スザクは空中に浮かんでおり、息が出来ないような荒い声を上げている。
その姿を街灯と月光で照らされている。












その影を見れば、スザクは手足を《なにか》に捕らえられており、首を絞められている状態にいた。



 
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