刹那の憂い(セツナのウレい)
疲れに任せて、体を前に倒して、目を閉じる。

ああ、もう動きたくない。

体を起こして、空に顔を向ける。

目を開ける。

そこに、刹那がいた。

あたしの視界に入るように、覗き込んでいる。

驚いて、あたしはベンチの背もたれにへばりついた。

刹那はニッコリ笑う。

そんなかわいい顔で笑うなんて、なかなかズルい。


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