刹那の憂い(セツナのウレい)
「たまたま通りかかったら、あんたが店から出てくるのが見えた」


だから、ついてきた、のか。


「何してるの?」


あたしは、そっと体を戻す。

「休んでるの」


「家、近いのに?」


「うん。そこまでたどり着ける自信、ない。

でも失敗した。

一回座ったら、もう立ちたくなくなって」


刹那が、隣に座る。

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