とおりゃんせ2~日村令子の場合~

男の子は 身体に大きな石をくくりつけられていた

くくりつけてある物はロープと言うよりは

昔の人が使っていたような縄であった


さらに男の子の身体はビショビショに濡れ

ゆかたのような服からは

水がしたたり落ち

裸足の足下に ひたひたと水を溜めていた


「あんた・・・どうしたの・・・?」


由里は男の子の状況を見て

生唾を呑む感覚だった

辺りを見回すが 水などない


すると男の子は

目にいっぱい涙を浮かべて

呟くように喋りだした


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