とおりゃんせ2~日村令子の場合~

「ボク… ボク…

いらない子だったんだって

ボクが居たら

兄ちゃんや姉ちゃん…

父ちゃん母ちゃんも…

生きていけなくなるんだって

だから…

生まれたらすぐ川に流そうって

ボクがお腹にいる時から言ってた…

ボク…哀しくて哀しくて…

母ちゃんのお腹の中で暴れたんだ…

流さないで!って伝えたかった…

母ちゃんはそんなボクに

『こんなに元気だったら沢山食べ物がいるだろう』って

やっぱり流すしかないね…って言ってた」



男の子は ずぶ濡れの状態で

ボロボロ ボロボロ泣いていた

水が滴っているのか

涙が滴っているのか

もう 分からないくらいだった


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