とおりゃんせ2~日村令子の場合~
「なぁ・・・令子・・・・

オマエにも判るよなぁ・・・

せっかくこの世に『生』を授かりながら

その素晴らしさを感じることなく

直接『死』の扉の中へ放り込まれる・・・

そんな子供の無念・・・

オマエはよ~く知っているよなぁ・・・

オマエの子供も もう随分成長したよなぁ

善霊界の『使いっぱしり』としてな!」



ナルゴという美しい男性はうっすらと笑っている


令子はそんな彼の囁きに一瞬動きを止めた



「・・・あの子は・・あの子の道は

私が決めたのではないわ。

あの子自身・・納得して

自分で霊界に行くことを決めたのよ

自分の都合で

子供を受け入れなかったのではないから…

あの子は・・・

先に行って あちらから私をフォローすると

約束して行ってくれたわ・・・」



ナルゴは令子からその言葉を聞くと

冷めた目をして令子の耳元から顔を起こした


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