とおりゃんせ2~日村令子の場合~

どの子供も・・・目を覆いたくなるような無惨な姿だった

肉は腐り 骨も見え隠れしている


しかし・・・

その酷い形相から 涙を流している

とめどない涙 溢れる涙


もう涙腺などない彼らの肉体から流れる物は

その魂に刻まれた血の涙だ


由里はいたたまれなくなっていた

この子たちを救いたい・・・

この苦しみから解放してあげたい


自分に出来る事とは・・・自分に出来る事とは・・・


「空即是色受想行識亦復如是

舎利子是諸法空相不生不滅不垢不浄

不増不減是故空中無色無受想行識・・・」


令子が淡々とお経を読み進めると

子供たちの悲惨な姿があらわになる

由里はもう見ていられなかった


『やめて』


そう叫ぼうとした瞬間

子供たちはその身体からうっすらと光を放ちだした



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