とおりゃんせ2~日村令子の場合~
「それじゃぁ・・・これ何本に見えますか?」
医師は由里の目の前で左手の人差し指を立てた
「・・・1本・・・?」
「じゃあこれは?」
今度は親指だけを折り曲げ 残りの4本を立てた
「・・4本」
由里がそういうと医師はニコッと笑った
「大丈夫だね」
医師がそういうと看護士がテキパキと動き出しだ
「木下さん!これから病室に移りますね 身体を動かしますよ」
ベテラン風の女性看護士と他何人かが由里の身体を下に敷いてある布ごと持ち上げた
そして隣に準備されたストレッチャーに 1,2,3 で由里を乗せた
ガラガラガラガラ・・・・
ガーーーーッッ
集中治療室のドアが開き由里はストレッチャーに乗ったまま病院の廊下に出た
「由里っっ!!!」
由里の横たわった頭上から声が聞こえた
由里は声のした方向を見上げた
「・・お母さん・・・」
由里の母親は由里の声を聞くとボロボロと泣きはじめた