とおりゃんせ2~日村令子の場合~
「由里!…気が付いた?!!」
小走りで由里の元へ向かい ようやく由里の視界に入ってきたのは 同じテニス部で親友の紗英だった
「・・・紗英・・・」
由里は 何故紗英が病院にいるのか理解出来なかった
「紗英ちゃん ほんとうに有り難うねぇ・・・ グスッ・・・ 由里・・・ 紗英ちゃんが救急車を呼んでくれて 由里と一緒に病院まで付き添ってくれたのよ」
由里の母親は 涙をなんとかこらえながら 紗英と由里にそう話しかけた
由里は不思議に思った
紗英とはテニスの練習が終わった後 帰宅途中の道で先ほど別れ 本来なら紗英はとっくに家に着いていてもよいはずだ その紗英がなぜ自分の帰路とは違う 由里の帰る道にわざわざ来たのだろう・・・
「いいえ おばさん違うんです!さっきも言いましたけど 由里を助けたのは『金子さん』っていう男の人です その人が倒れた由里を発見して 心臓マッサージをしているところに私が出くわしたんです 金子さんが居て下さったから 私は落ち着いて救急車を呼ぶことが出来たし 私だけだったら心臓マッサージもうまく出来なかったと思います」
『金子さん・・・?』
由里は 紗英の言う金子さんという男性が気になった
『もしかして・・・ナルゴがまた化けて・・・何かしようとしてたんじゃ・・・・』
「紗英・・・その金子さん・・・ってどんなカンジの・・ひと・・?」
由里は まだ戻らない体力の中 やっと声を振り絞った